
2019年7月1日より、光コラボレーションの事業者変更が導入され、乗り換え手続きが、より手軽にできるようになりました。
これにより、自分に合った光コラボレーションサービスに乗り換える光回線ユーザーが急増しています。
しかし、このように契約手続きの自由度が高まると、それを悪用した事業者が言葉巧みに一部サービスへの乗り換えを迫り、実質得をしないサービスを契約してしまったという情報も後を絶ちません。
そこでこのページでは、光回線の販売員をしていた筆者が長年の経験をもとに、今話題となっている光コラボレーションの事業者変更について、契約前に知っておきたい落とし穴などを、以下の流れでご紹介します。
1.事業者変更をする前の注意事項
2.1分でわかる事業者変更の仕組み
3.事業者変更の5つの落とし穴
4.今すぐ乗り換えたいオススメ光回線と選び方
それでも事業者変更をしたいという方には、光コラボのオススメ回線と選び方についても解説しているので、ぜひご参考にしてください。
1.事業者変更をする前の注意事項
今話題の事業者変更は、その魅力的な一面ばかりが強調されており、実はそれを利用した悪質な営業の被害が続出しています。
しかし、それを知らずに即決で契約を交わしてしまうと、あなたも被害者のひとりになってしまうかもしれません。
そうならないためにも、まずは事業者変更の導入によって、実際に起こっていることを冷静に把握してみましょう。
きっと事業者変更をする前に注意すべき落とし穴が見えてくるはずです。
1-1.2019年7月1日光コラボに何があったのか?
2019年7月1日、総務省主導で進められていた事業者変更の導入が、遂に実現しました。
これにより、光コラボの乗り換え前後において、異なる事業者間で光回線の再利用が可能となり、乗り換えのハードルがグッと下がりました。
また、光回線を利用する際に必要なIDや光電話の番号についても、乗り換え前後の変更というデメリットがなくなり、そのまま引き継げるようになりました。
1-2.事業者変更は魅力的に見える
光コラボの事業者変更が始まったことで、光回線サービスの乗り換えが気軽にできるようになりました。
それは、これまで必須だった手続きや工事のほとんどが不要になったためです。
では、実際にどのような手続きや工事が不要になったのでしょうか。
形式的な撤去・開通工事の解消
たとえば、ソフトバンク光からOCN光に事業者を乗り換える場合、以下のステップを踏む必要がありました。
- ソフトバンク光を解約する
- ソフトバンク光の撤去工事をする
- OCN光に申し込む
- OCN光の開通工事をする
実は、光コラボ事業者が提供している光回線は、すべてNTT東日本・NTT西日本のものです。
したがって、光コラボ事業者を変更したからといって、光回線をわざわざ撤去したり、開通させる必要は全くなく、これまで光コラボの乗り換えにかかってきた時間と費用のほとんどが無駄だったと言えます。
しかも、立ち合い開通工事には高額な費用がかかることが多く、たとえばOCN光なら19,800円(税込)に及ぶこともあります。
そこで事業者変更の導入後は、光コラボの乗り換えに際して、光回線を引き継ぐことが可能となり、撤去工事と開通工事を実施する必要がなくなりました。
必要なのは、以下のステップのみです。
- ソフトバンク光を解約する
- OCN光に申し込む
アナログ戻しの解消
これまで光電話の番号を引き継ぐには、アナログ戻しをする必要がありました。
このアナログ戻しとは、光電話で利用している電話回線をNTTのアナログ回線に戻す手続きのことです。
たとえば、ソフトバンク光からOCN光に事業者を変更する場合、同じ光電話の番号を引き継ぐためには、ソフトバンク光のひかり電話番号をNTTのアナログ番号に戻し、その後OCN光の光電話へ再度戻す手続きが必要でした。
しかし、事業者変更の導入後は、光コラボで発番された電話番号をアナログ戻しなしで引き継ぐことが可能になりました。
光コラボで発番された電話番号をそのまま引き継ぐことができるようになったので、余計な手続きがいらず、乗り換えのハードルが下がりました。
1-3.事業者変更を利用した悪質な営業に注意
このように、事業者変更の導入により、以前より光コラボの乗り換えが手軽にできるようになりました。
しかし、それと同時に事業者変更の魅力的な面のみを強調した、悪質な営業行為が慣行するようになりました。
特に、工事費なしで更にお得なサービスへ契約変更できると謳って、実際は契約後に違約金がかかったり、一定期間解約できない縛りがあるサービスを、強引に勧めるケースが頻繁に見られます。
ソフトバンク光の事業者変更による解約をやってみたら、奴ら事業者変更手続きが月内に終わらない理由での2年縛りの解約手数料狙ってやがる
マジクソだなソフトバンクは— ????なまくら???????? (@_sperion_) 2022年12月17日
このような悪質な営業は、一部の代理店等によって、電話で行われることがあります。
したがって、電話営業による事業者変更がらみの光コラボの乗り換え勧誘は、どれだけ魅力的に感じても、まずは即決せずに断りましょう。
しかし、事業者変更の導入により、サービスの乗り換え自由度が飛躍的に高くなったことは事実です。
もし事業者変更を行う場合は、自分自身で契約条件等をよく確認した上で、慎重に行ってください。
どうせ乗り換えるなら、以下の2点を重視すると圧倒的にお得です。
- スマホとセットで契約する
- 高額なキャッシュバックの代理店経由で契約する
この2点は事業者変更の導入に限らず、より便利でお得な光回線サービスと契約するための必須事項ですので、必ず覚えておきましょう。
では次に、まだ事業者変更の仕組みがはっきりとわからない方のために、詳細内容を説明します。
2.1分でわかる光コラボの事業者変更の仕組み
光回線サービスの乗り換えには、「事業者変更」「転用」「再転用」の3パターンがあります。
事業者変更の仕組みを理解するためにも、そもそも光コラボレーションとはどのようなサービスなのか、また事業者変更の手続きは具体的にどのような内容なのかを把握しましょう。
2-1.そもそも光コラボレーションとは
「光コラボレーション」は、NTT以外の事業者が、NTTの光回線を借りて「別のブランド名」で提供するサービスです。
つまり、ユーザーはどのサービスを選択しても、NTT東日本・NTT西日本の光回線を使用してインターネットに接続することになります。
たとえば、最近では下記ような会社で光コラボレーションサービスが提供されています。
- NTT以外の通信回線事業者(ex.ソフトバンク)
- 通信業界以外の会社(ex.TUTAYA)
ちなみにauひかりやNURO光は、KDDIの光回線を使用しているので、光コラボレーションサービスではありません。
その他、光コラボレーションについての詳細は、「図解でわかる光コラボレーションとは|仕組みと注意点が3分でまるわかり」を参考にしてください。
2-2.事業者変更はどんな手続きなのか
事業者変更とは、光コラボ契約者が、その他光コラボサービスもしくはNTT東日本・西日本が提供するフレッツ光に乗り換えるための手続きです。
2019年7月1日より、光回線の再利用が可能となったため、光コラボ間での手軽な乗り換えが実現しました。
事業者変更承諾番号の取得が必須
光コラボの事業者を手軽に変更するためには、事業者変更承諾番号を契約中の光コラボ事業者から取得して、新たな事業者に伝える必要があります。
この事業者変更承諾書の有効期限は、発行日より15日以内なので、注意しましょう。
2-3.光回線の乗り換え3パターン
これまで光コラボは、契約対象の事業者によって、契約手続きの方法や費用が大幅に異なり、場合によっては乗り換えに高いコストがかかっていました。
この乗り換えの難易度を決めるポイントは、契約対象となる光回線サービスがフレッツ光なのか、その他の光コラボサービスなのかという点でした。
それでは、乗り換えに必要な契約手続きやコストについて、ユーザー乗り換えパターンごとに見ていきましょう。
転用
「転用」は、光回線サービスの乗り換えのうち、フレッツ光から光コラボへ契約を変更することを言います。
これまでの光コラボの契約では、この「転用」のみ開通工事がいらず、簡単な手続きだけで乗り換えることが可能でした。
つまり、フレッツ光からソフトバンク光に乗り換えるなど、NTT東日本・NTT西日本から光コラボへの乗り換えのみ、簡単に契約変更ができたのです。
転用についてさらに詳しく知りたい方は、「プロ直伝!光回線を世界一上手に乗り換えるためのポイント集」をご確認ください。
再転用
「再転用」は、光回線サービスの乗り換えのうち、フレッツ光から光コラボレーションへ契約を変更した後、再度フレッツ光へ契約を変更することを言います。
これまでは光コラボの解約、フレッツ光への再契約、光回線開通工事の再実施が必要で、そこにかかる時間や費用面のコストから、乗り換えを検討しながらも実行されにくい傾向がありました。
つまり、フレッツ光からソフトバンク光に乗り換えて更にフレッツ光に乗り換えるなど、光コラボレーションへ転用後に再度フレッツ光に転用したい場合、契約変更が難しい状況が続いていたと言えます。
しかし、2019年7月1日より、再転用でも開通再工事の必要がなくなりました。
事業者変更
「事業者変更」は、光回線サービスの乗り換えのうち、光コラボレーション間で契約を変更することを言います。
「再転用」同様に、これまでは光コラボレーションの解約、フレッツ光への再契約、光回線開通工事の再実施が必要で、そこにかかる時間や費用面のコストから、乗り換えを検討しながらも実行されにくい傾向がありました。
つまり、ソフトバンク光からOCN光に乗り換えるなど、光コラボ間でサービスを乗り換えたい場合、契約変更が難しい状況が続いていたと言えます。
しかし、2019年7月1日より、事業者変更でも開通再工事の必要がなくなりました。
それでは、光コラボの乗り換え手続きについて、契約前に知っておきたい落とし穴についても見ていきましょう。
3.事業者変更の5つの落とし穴
事業者変更の導入は、非常に魅力的で、一見するとメリットしかないように見えます。
しかし、実際には、これを悪用した営業が慣行しているという現実もあります。
たとえば、工事費なしでお得に契約変更できることを謳って、実際は契約後に違約金がかかったり、一定期間解約できない縛りがあるようなサービスを強引に勧めるケースが頻繁に見られます。
3-1.違約金がかかる
光コラボの事業者を変更すると、契約中のサービスが解約となり、乗り換え先のサービスと新規契約することになります。
したがって、契約中のサービス内容によっては、事業者変更に際して、違約金の支払いが求められる可能性があります。
3-2.電話番号変更の可能性がある
光コラボの事業者変更では、光コラボで発番された電話番号をアナログ戻しなしで引き継ぐことができるようになりました。
しかし、一部の光電話・IP電話で電話番号を引き継げない場合があるので注意しましょう。
たとえば、ソフトバンク光では、ホワイト光電話やBBフォンなどが該当します。
3-3.契約期間の縛りがある
光回線サービスは、基本的に2~3年の契約期間が設定されています。
そのため、一度契約をすると、高額な違約金を払わない限り解約ができないという縛りがあります。
事業者変更の導入によって、契約の自由度が高まった分、長期的な視点を持って契約に臨まなければ、かえって金銭面で損をする可能性もあります。
3-4.2重の月額料金がかかる
光コラボは、解約月の途中に解約しても、基本的にその月分の月額料金がかかります。
たとえば、契約解除をした光コラボの更新月と新たに申し込みをした光コラボの開通日が同じ月だった場合、その月分の月額料金が2重でかかる場合がほとんどです。
余計な月額料金がかからないように、開通日には十分に注意しましょう。
3-5.事業者変更手続きができない場合がある
事業者変更は以下の場合、手続きができません。
- 料金未払いによるサービス停止状態にある
- 事業者変更承諾番号の期限が切れている
- 工事費や解約金の残債がある
工事費や解約金の残債ついては、事業者が求める条件をクリアした場合、事業者変更承諾番号の発行は可能であるようです。
このような事業者変更の落とし穴を踏まえた上で、いったいどのような光回線を選んだらよいのかご紹介します。
4.今すぐ乗り換えたいオススメ光回線と選び方
先ほどもご紹介しましたが、光回線はスマートフォン会社や提携企業の光回線とスマートフォンのセット割引を使うと、料金が大幅に安くなります。
ただ上記の光回線には、申込窓口が複数存在するのですが、申込窓口によってキャッシュバックやその他特典がガラリと変わります。
各回線の申込窓口を比較したところ、最もおすすめなのは以下の窓口でした。
お使いのスマホキャリア | 最安のおすすめ光回線 | 最もお得な申込窓口 |
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5.まとめ
今回は、今話題となっている光コラボの事業者変更をしない方がいい理由について、その裏にある落とし穴を徹底解説しました。
光コラボの乗り換え手続きの自由度が高まった分、それを利用した悪質な営業の被害に遭う方も急増しています。
事業者変更の導入の裏に潜んだ危険性をきちんと認識した上で、それでも乗り換え手続きをしたいという方は、「プロ直伝!光回線を世界一上手に乗り換えるためのポイント集」をぜひ参考にしてください。
皆さんが適切な契約手続きの上で、自分にあった光回線を快適に利用できることを祈っています。